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2014年 09月 17日
絵本に限らず本を読むということは極めて個人的な体験であって、社会化された事柄やすでに評価の定まったものから離れて、どれだけ「個」のかけがえのなさ、生の一回性に触れられるかという問題だったりしますが、本書はそんな近視眼的視点(文学趣味?)を放り投げて、地球規模で世界を俯瞰してみせます。 まず、体のサイズが違う。肌の色が違う。目の形や色、鼻の形、髪の毛が違う。着る物やおしゃれのあり方、休みの日の過ごしかた。国によって違うさまざまな遊び。家もいろいろ。ペットもいろいろ。お祭りや祝日、食べる物もいろいろ。ある人にとってのごちそうが、ほかの人には触るのもいやなことがある。宗教も仕事もいろいろ。言葉も文字もいろいろ…と各国の様子が並んだ挿絵は圧巻です。もちろん、日本のところは、着る物が和服だったり、笠と蓑(!)だったり、遊びが指相撲と将棋だったり、家屋が藁ぶき屋根だったりというのはステロタイプな上に時代錯誤だとはいえ、世界の広さを知るのには十分です。 こんな広い視点から見たら、誤字脱字とか、弁当のおかずがいつも同じこととか、給食の日と弁当の日を間違えて幼稚園の先生がコンビニのおにぎりを買ってきてくれたこととか、友達へのメールの返信をずっと忘れてることなんて、どうでもいいじゃん~、細かすぎることじゃん~、という良く言えばおおらか、悪く言えばなげやりな気持ちにもなります。が、子供にとってはまだ見ぬ世界を知る手がかりとなる興奮の一冊となるのではないでしょうか。娘は「このほん、むつかしい」と言っていたので、たぶんそうなのでしょう。 さて、数日前まで園バスのバス停の隣の小さいスーパー「グミ屋さん」が全ワールドだった娘。昨日、初めて、グミ屋を素通りしました。エライ!…と思ったら、駅前の大きいスーパーに行くと言います。大きいスーパーにはお菓子の種類も多い。ついに、グミ屋で満足していた自分が、井の中の蛙だったと知ってしまったようです。そして、幼稚園の終わったあと、駅前まで行かなくてはならなくなってしまいました。子供は広い世界など知らないほうが親にとっては都合がいいこともあるというお話。 写真は、東京スカイツリー。そんな広い世界で、一番高い電波塔だなんてすごい。そして、世界一高い電波塔を見ながらのBBQ。そんな広い世界の一部を垣間見てきたはずなのに、シドニーにいても、日本にいても、結局、飲み食いしかしていないわれわれ…。 せかいのひとびと (児童図書館・絵本の部屋) ☆ランキングに参加しました!☆ どちらかひとつ↓クリックしていただけますと励みになります。 にほんブログ村 にほんブログ村
by ehonblog
| 2014-09-17 22:45
| 3歳9か月
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